建築士

Tips_温度

dai

私が過去に出会った温度についてまとめてみました。

空気温度

文字通り空気の温度

大体”おんどとり”(商品名)か、熱電対とデータロガーの組み合わせで測定されます。お金持ちは白金測温抵抗体。

平均放射温度

放射と言われたら大体これを指します。

平均放射温度の定義は環境と人間の間の放射量を示す温度です。だから測定するためには人体表面との熱交換を測定できるサーマルマネキンがないとできません。このマネキンは発熱するんですけど、数千万円とか一億とか費用がかかるオーダーメイド品なので普通無理ですよね。一般的にはグローブ温度から簡易的に推定できる値を用いることが多いです。

放射は絶対温度の四乗に比例します。

グローブ温度

グローブ球という黒色の球体を使って得られる温度。

グローブ球の中に熱電対を入れて測定するので厳密にはグローブ球の中の空気温度のほうがしっくりきます。(ちなみにお金持ちは熱電対ではなく白金測温抵抗体)。

本来放射の温度(平均放射温度)を得るために測定するわけですが、グローブ球の周りに風があると対流で熱の移動があります。この理由から風速と空気温度を使ってグローブ温度から平均放射温度へ分離するわけです。

作用温度

対流と放射の寄与を考慮して得られる快適性評価に使われる温度。

大体対流と放射は50%50%で考えられることが多いですが、実際はケースバイケース。

評価する際には、空気温度・平均放射温度・対流熱伝達率・放射熱伝達率が必要ですが、作用温度以前にこの伝達率を計算するほうが難しいです。室内は安定しているという前提で仮定されることが多いですが、人によってまちまちかなという印象があります。

新有効温度(ET*)

新有効温度(ET*)とは、湿度50%を基準とし、気温、湿度、気流、平均放射温度、代謝量、着衣量(clo)の6つの因子で計算された環境を総合的に評価した温度のこと。

もともと有効温度というものがありましたが、使われてない。湿度100%で置き換えるって、考えた方ってサウナ好きなんでしょうか?笑

標準新有効温度(SET*)

ET*にSがついてますがStandardのSです。おおまかな考え方はET*と同じなのですが、各変数が具体的になっています。

アメリカの学会ASHRAEの快適性指標で、気温=平均放射温度、相対湿度40%-60%、気流0.10-0.15m/s、代謝量1.0-1.2met、着衣量0.6cloという標準状態を標準新有効温度(SET*)と呼んでいる。

実効温度差

注意:ニッチな用語なので覚えなくていいと思います。

別名ETDと呼ばれるもので、快適性の用語ではなく熱負荷の用語です。

調べると非定常応答係数法とか難しい言葉を使って説明してますが、要は日射が当たる外壁を考えたときに、コンクリートと木とでは熱の伝わり方が異なりますので、それを簡略化して熱負荷が計算できるように仮想温度差を作ったというところでしょうか。

この温度差[℃]と熱貫流率[W/m2K]がわかれば熱流束[W/m2]がわかるわけですから、負荷[W]は面積かければわかりますよね。

等価温度

注意:ニッチな温度なので覚えなくてもいいと思います。

これはサーマルマネキンを使うことで評価できるもので、何度相当の空間にいたのと同程度か、を評価できるものです。

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Dai
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二児のパパ。博士(工学)取得後、エンジニアと某大学非常勤講師を兼任。 気ままに更新していきます。
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